今さら聞けない\免疫力/「自然免疫」と「獲得免疫」の違いはナニ?

人間の体には、細菌やウイルスなど病原体による病気を抑え込む力があります。これが「免疫力(immune system)」であり、人間が生まれながらにしてもっている「カラダを守る力」です。よく耳にする言葉「免疫力」を細分化してご紹介します。


目次

  1. 免疫機能を司る【白血球】
  2. 内臓している2大免疫システム
  3. その①:【自然免疫】とは
  4. その②:【獲得免疫】とは


1.免疫機能を司る【白血球】


体内に侵入した細菌やウイルスなどの異物から体を守る免疫システムを担っているのが「白血球(leukocyte)」です。 白血球は、骨の中で生まれます。 骨の中には、骨髄というスポンジ状の組織があり、多能性幹細胞(造血幹細胞)という特殊な細胞がつまっています。 この多能性幹細胞からさまざまな細胞が分化して誕生しています。


多能性幹細胞から生まれる白血球は、顆粒球・リンパ球・単球に分けられ、顆粒球はさらに好中球・好塩基球・好酸球に、リンパ球はT細胞、B細胞、NK細胞に分けられます。



2.内臓している2大免疫システム


免疫機能は、用途の違いによって「自然免疫」と「獲得免疫」の2種類に分けられます。


体内に侵入した異物を直ちに排除する「自然免疫と、侵入した異物の情報をリンパ球が認識し、その情報に基づいて特定の異物を排除する「獲得免疫が存在します。


その①【自然免疫】とは

自然免疫とは、生まれつき体内に備わっている免疫のしくみで、生物の進化上最も古くから存在する機能であり、発見した異物を直ちに排除し、生体防御の最前線ではたらいている。主な細胞は3種類。


A: 【好中球】…自然免疫細胞の代表


自然免疫の中で中心的な役割を担っている細胞です。血液の中で循環しているものと、血管の内壁に付着しているものがあり、80~500億個が機能しているといわれていて、血液細胞の巣ともいえる骨髄には、さらに10~30倍の好中球がスタンバイしているので、外部からの侵入者があると現場へ急行できます。


好中球の寿命は1~2日。細菌と出会った好中球は、細菌を食べ殺菌する働きをしています。これを「貪食(どんしょく)」といい、数分の間で、10~15個の細菌を食べると言われています。細菌を食べ尽くし役目を果たした好中球は、自分自身もダメージを受け次々に死んでいき、マクロファージという別の細胞に貪食されることで炎症が落ち着きます。


B: 【NK細胞(ナチュラルキラー細胞)】…異常な細胞を殺す


ガン細胞などの体内で生まれた異常細菌を殺すことが主な働きです。T細胞やB細胞などのリンパ球とは違い、病原体の感染経験がなくても、異物を特定することなく(非特異性)ガン細胞などを破壊する力を持っています。

全身を構成する多くの細胞は、個人を特定するためのMHCというタンパク分子をもっています。NK細胞は、体内を監視しているときに、このMHC分子をもっていない細胞を見つけると、異常な細胞として認識し、NK細胞内の殺傷タンパク質をふりかけて攻撃します。



C: 【マクロファージ】…侵入者を食べて処理


「貪食細胞」とも呼ばれるマクロファージは、血液中にある白血球の約5%を占める免疫細胞で、細菌やウイルスなどの病原体、免疫細胞の残骸などを貪食します。この貪食作用は、外部からの病原体を処理するだけでなく、壊れてしまった自分の細胞や血小板の働きで固まった血液を食べるはたらきもしています。


たばこの煙や、食品中の有害物質など、発ガン性のある物質にさらされても簡単にガンにならないこともマクロファージを含む免疫細胞のはたらきです。


ガン細胞は、細胞核に存在する遺伝子が発ガン物質の影響でダメージを受けることによって、通常の細胞が変異し強力な増殖能力を獲得したものですが、免疫はこのような細胞の失敗作も認識することができ、マクロファージによって処分されまます。

そのため、ガン細胞が発生しても、収拾がつかないほど増殖する前に処分できるのです。

マクロファージは、貪食作用のほかに異物が体内に侵入したことを、他の免疫細胞に知らせる役割も併せもっています。これを「抗原提示」といい、この合図を受けて全身の免疫細胞が臨戦態勢に入ります。 

異物を取り込んだマクロファージは、その残骸をあえて体の表面にくっつけておいて、体内に侵入者がいることをヘルパーT細胞などに知らせます。


マクロファージがヘルパーT細胞に抗原提示しているイメージ


マクロファージの分布場所とはたらき 

血管内【単球】マクロファージの前駆細胞で血管内を循環し、炎症部位に駆けつける
脳【グリア細胞】脳など中枢神経に分布し、異物を貪食して脳内を正常な状態に保つ
肝臓【クッパ―細胞】肝臓の血管などに存在し、門脈から肝臓に侵入した異物を貪食・処理する
肺【肺胞マクロファージ】気管から肺にかけて分布。気道から侵入した異物を貪食・処理する

※それぞれの部位で名前を変えて活動


その②:【獲得免疫】とは

出生後に病原体と接触する経験をしたとき、二度目に感染しても発病しないようにするシステム。 獲得免疫は、侵入した外敵と戦うだけでなく、記憶細胞という特殊な機能をもつ細胞に変化することで、過去にどのような敵を戦ったかを記憶する役割ももつ。主な細胞は2種類。


A: T細胞…免疫の司令塔


ヘルパーT細胞」は免疫の司令塔のような役割をしていますが、自身で体内で起きている異常をキャッチする能力はありません。貪食した残骸を細胞表面にくっつけたマクロファージからの情報を得たヘルパーT細胞は、B細胞に敵をつかまえるための抗体をつくらせ、キラーT細胞に敵を殺す指令を下します。



キラーT細胞は、ヘルパー細胞からの指令を受けてはたらく強力な「殺し屋」です。ガン細胞にも攻撃し、殺してしまうほど。健康な体でも、ガン細胞は毎日3000~5000個ほど生まれているといわれていますが、キラーT細胞やNK細胞が活躍してくれているおかげで、毎日ガン細胞は破壊され、ガンという病気の発症を抑制してくれています。


さらに。

殺し屋のキラーT細胞やNK細胞が暴走したり、過剰な攻撃をしないように見守るサプレッサーT細胞というものもあります。 



B: B細胞…敵を記憶する


B細胞の役割は、体内を循環しながら病原体などの侵入者を発見し、その侵入者とだけ反応して敵の毒素を無毒化したり、敵の機能を破壊する物質をつくり出したりすること。 

侵入者のことを「抗原」、作り出された物質を「抗体」といい、適切に敵を認識してそれに対する防御が作動することを「抗原抗体反応」といいます。


B細胞は、抗体をいつまでも温存し、二度目の攻撃を受けた際には、より速やかに攻撃できるように準備しています。敵を記憶しておく細胞は「メモリーB細胞」といいます。


まとめ

  • 免疫機能を司るのは白血球。ただ、免疫機能は用途の違いによって「自然免疫」と「獲得免疫」の2種類に分けられる。
  • 体内に侵入した異物を直ちに急行して排除する「自然免疫」と、侵入した異物の情報を基に、特定の異物を排除する「獲得免疫」がある。
  • 各細胞にはそれぞれ異なるはたらきがあり、全身を監視することで私たちの体は防御され、守られている。



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田和璃佳<インナーケアラボ主宰者>

田和璃佳<インナーケアラボ主宰者>

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