川島隆太氏が警鐘を鳴らす【SNSで記憶が消える】脳トレ素読のすすめとは

「脳トレ」開発者の川島隆太氏(東北大学加齢医学研究所所長)と「にほんごであそぼ」の齊藤孝氏(明治大学教授)対談テーマが「素読のすすめ」。前回のコンテンツ「脳力パワーアップ」に基づく、脳力パワーアップ実践版をご紹介します。


目次

  1. 集団での素読で一体感が増す理由とは
  2. 素読はコミュニケーションの能力を高める
  3. 素読を速く実行すればより効果は大きくなる
  4. SNSで記憶が消える!!
  5. 学習療法は認知症改善に効果絶大


1.集団での素読で一体感が増す理由とは


脳科学者でいらっしゃる川島隆太氏が、偶然の発見から導いた答えが


  ゲームを楽しんでいる時の脳ははたらいておらず、単純計算をしたり文章を読んだりしている時のほうが、脳はよくはたらいている


通常の学習の研究であれば、同じ課題でも、興味をもって取り組む、意欲のあるほうが脳活動は断然活発になり、嫌々やっている場合とは明らかな差が確認できるのですが、単純計算をしたり、文章を読んだりしている時のほうが、明らかに脳活動は活発になっているというデータがとれていますが、まだ理論的には解明できていません。


ただ、黙読は文字をとらえて視覚で覚え、そこに書かれてある意味を理解しますが、声を出して素読するということは、理解した文章の情報を音に変換する、口を動かす、息を出す、自分の声を耳で聞くといった二重、三重の機能が働くことになるので、それだけさらに脳活動は活発になります。


また、記憶のメカニズムとも大いに関係があり、記憶のしやすさにはいくつかのコツがあって、たくさんのモデリティー、つまり感覚や情報を使うことが大切だとされています。読書の時に目で追うだけではなく声に出す、手で書くというように視覚、聴覚、運動情報を多く使ったほうが記憶に残りやすいことが実証されているので、素読のように声に出したほうがずっと記憶にも残りやすい。

素読(そどく)とは、内容の理解は二の次にして、文字だけを声に出して読むこと。

江戸時代の寺子屋の教育法は、論語などの素読をベースとしていた。

2.素読はコミュニケーションの能力を高める


最先端の研究でわかったことは、人間の前頭葉の中心、ちょうど眉間のあたりに「肺内側前頭前野」という高度なコミュニケーションを司る部分があって、お互いの気持ちが通じ合った時には、その脳の揺らぎが同期する(脳活動の波長のタイミングが合う)ということが2016年に解明されました。 いわゆる「第三の目」といわれる場所です。


つまり、心が通じ合えば、それまで一人ひとりバラバラだった脳の活動が一つになってくるということ。  いい授業ほど先生と生徒の脳が同期しやすいことも解明されてます。


赤ちゃんが親の話を真似て言葉を覚えていくように、模倣は人と人とのコミュニケーションの第一歩ですが、背内側前頭前野に異常がある人は、模倣という人間として基本的な行為ができなくなっています。


さらに、同期を強めるには、お互いの動作を合わせることも効果的である、ということも解明されました。外的な動きでリズムを合わせると、脳の同期のリズムもあってきて、学習効果をより高めます。



3.素読を速く実行すれば効果はより大きくなる


脳の機能を高めるたくさんの実証データから、結論としていえることは

できるだけ速く読むトレーニングの効果は高い」ということです。


速く読むことで頭の回転速度が上がり、例えば、早口言葉のようなものを毎日やっていると、脳がつくり替えられるということがわかってきて、さらに、声に出すことも記憶のトレーニングにもなります。


文章を読む場合、一文字一文字を目で見て発声するのではなく、ある程度の量を見ながらそれを記憶に留めて声に出したり、理解したりします。これをワーキングメモリー(作動記憶)と読んでいますが、素読によってこの脳のシステムをフルに活用できることもわかってきました。


年齢を重ねることで、内臓や筋肉が衰えるのと同様に、脳も大きさが小さくなります。35歳から60歳にかけて、脳の容積は約10%減少し、脳の神経細胞も減少します。


頭の回転速度と記憶の容量も、20歳を過ぎると遅くなり、小さくなります。だからこそ、素読を速くやることは脳の機能の低下を食い止めるし、子供の場合は、発達期に脳の器が大きくなります。


そのことを意識しながら、1日に10分から15分の素読を行うと、記憶力がよくなるばかりでなく、心理学でいう転移、つまり記憶とは別の力まで伸びるという反応がおきます。


その能力とは、「抑制力」「創造力」「論理的な思考力」といったものですが、実際にMRIで調べると脳の前頭前野の両側の体積が増えていることが証明されています。


つまり、思考や記憶などを司る前頭葉は12歳がピークで、その後はだんだん薄くなるのですが、大人でも素読を続けることによって元に戻っていくということ。


これは、脳の可塑性といわれ、脳の神経細胞のシナプスの量が増えてネットワークが通じやすくなるのです。 素読だけではなく、タイムを計って計算をさせる「百ます計算」も同じ理論です。 急がせるところに意味があるわけで、脳のトレーニングは速くないと意味がないという結論です。


4.SNSで記憶が消える!!

SNSをやっていると、脳に抑制がかかることがわかっています。見た目には、手を動かしたり、頭を使ったりして脳を刺激しているようにみえても、脳の活動を測定してみると、抑制つまり、眠った状態になっています。

ラインの文面を診れば理解できると思いますが、極めてプアなコンテンツです。

「お昼何する?」

「カレー」

「どこ行く?」

といったまるで幼稚園児レベルの会話しか続かない。とても恐ろしいツールです。


仙台の7万人の子どもたちの脳データ



7年間、仙台市の7万人の子どもたちの脳を調べていますが、スマホやSNSの利用と学力との関係が明らかになってきました。


結論からいうと、SNSを使えば使うほど学力は下がります。睡眠時間や勉強時間とは関係ありません。


家で全く勉強していない子供たちのグループがいて、スマホをいじらない子はある程度点がとれるのですが、その先、使い始めると睡眠時間は一緒でもそこから点が下がっていきました。SNSを1時間やると、100点満点の5教科のテストで30点。1教科あたり5点分ぶらい下がります。 1時間で5点ですから、4時間使えば、20点下がります。


ここからわかるのは、SNSをやっていると勉強した大切な脳の記憶が消えているという恐ろしい現実です。


5.学習療法は認知症改善に効果絶大


子どもや若者だけではなく、素読によって脳が活性化するのはお年寄りも同じです。

高齢になって脳機能や生活の質が低下する一番の要因は、記憶の容量が小さくなることにあります。


記憶の容量とは、作業をする時の机に例えるとわかりやすいですが、若いときは、大きな机を持っているので、パソコンやノートを置いたり、資料を並べたりして自由に作業ができますが、年をとると机が小さうなっていって、最後にはノート1冊すら広げられなくなってしまう。若者でも、SNSばかりやる人の脳はこのような状態になります。


この狭くなった机を何とか広げられないかということで、認知症のお年寄りに美しい日本語の文章を声に出して読ませるトレーニングを導入したところ、認知症の進行が止まるだけではなく、改善していきます。記憶の容量が大きくなり、脳そのものが可塑的な変化を遂げます。 認知症は薬を飲んでもよくはならず、悪くなるスピードを遅らせるだけですから。



中身のある古典や名文を、ある程度の速さで素読し続けることは、お年寄りの脳にとっても、また、子どもや若者の脳にとっても、とても効果が大きいことが証明できます。






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