老化を早める元凶「AGE(終末糖化産物)」|体の糖化を防ぐ6つの方法

酸化とならんで老化防止に「糖化」が今とても注目されています。カラダの老化を早める元凶が「AGE(終末糖化産物)」であることがわかってきたからです。


目次

  1. 「AGE:終末糖化産物(Advanced Glycation End Products)」とは
  2. AGEの発生と蓄積
  3. 老化を促進させるAGE
  4. 老化防止=抗AGE対策



1.「AGE:終末糖化産物(Advanced Glycation End Products)」とは


「糖化」とは、タンパク質と糖質を加熱して褐色の物質ができる反応のこと。 これまでは食品中に起こる『メイラード反応』いう化学反応として知られていました。 例えば、パンや魚、肉を焼いたときの焦げ色です。


よく料理方法で「少し焼き色をつけて…」とあるように、この効果は、食品の香りや風味をよくしたり、保存性や栄養価を高める一方で、加熱しすぎると味の品質や劣化につながるなどがあり、主に食品への影響を検討する食品学の分野で研究が進められてきました。


そして、このメイラード反応は、食品だけでなく人間の体の中でも起こることがわかり、メイラード反応によりできた『AGE:終末糖化産物』という物質が老化の原因になっていることが判明しました。


つまり、私たちのカラダのほとんどはタンパク質でできているため、そのタンパク質に糖が結びついて、「糖とタンパク質の化合物」ができてしまうというわけです。もともときれいなタンパク質が、砂糖をまぶしたようにベトベトになった状態で、血管や組織にべったりと沈着し、さまざまな病気を引き起こします。


老化防止研究の第一人者でいらっしゃる山岸昌一氏(久留米大学医学部教授)は、ご自身が子供の頃から難病・入院・薬漬けの生活を余儀なくされておられた中で、一人の医師との出会いから難病を克服、医師をめざされます。そして、医師になられた後にAGEの研究をされ、7年かけて一千兆個の物質をしらみつぶしに探しついに研究成果を発表されるのです。


2.AGEの発生と蓄積


全身に分布しているタンパク質と糖質が結びついて、糖化したタンパク質ができ、そこの体温で熱せられたり、高血糖状態になるとAGEになります。 やっかいなことにAGEは、最終産物なので、一度できたら元の物質に戻ることはできません。


AGEは、2通りのしくみで体内に溜まっていきます。


体内でつくられるAGE


血中のブドウ糖が過剰になってあふれ出すと、人間の体の細胞や組織を作っているタンパク質に糖が結びつき、体温で熱せられ「糖化」が起き、AGEが発生するのです。


体内のタンパク質が糖化しても、初期の段階で糖の濃度が下がれば元の正常なタンパク質に戻ることができます。しかし高濃度の糖がある程度の期間さらされると、毒性の強い物質に変わってしまい元には戻れなくなります。


食べ物から体内に入るAGE


もう一つは外から取り込むAGE。

「タンパク質と糖が加熱されてできた物質」はいろいろな食べ物・飲み物の中にも含まれ、私たちは食事や間食として取り込んでいるのです。


わかりやすい例として、ホットケーキを挙げてみましょう。小麦粉(糖)と卵や牛乳(タンパク質)をミックスして加熱すると、ホットケーキが焼けます。そして、ホットケーキ表面のこんがりキツネ色になっている部分こそが糖化した部分。ここにAGEが発生しているのです。


こうした飲食物に含まれるAGEの一部は消化の段階で分解されますが、約7%は排泄されずに体内に溜まってしまいます。


3.老化を促進させるAGE


体内でどう影響するの?AGEが及ぼす影響とは?



タンパク質の中でもAGEの影響を受けやすいのが、「コラーゲンです。 コラーゲンは体内のタンパク質の約30%を占め肌だけでなく、血管や骨、脳など体内に幅広く存在しています。 AGEが恐ろしいのは、私たちのカラダを作っているタンパク質を攻撃し、その機能を低下させるからです。


タンパク質は人間の体内のいたるところに存在するため、どの臓器を構成するタンパク質がAGE化(糖化)するかによって、発生する病気の種類が違います。


●メタボリックシンドロームの悪循環

内臓型肥満で、かつ高血圧、高血糖、脂質異常症のうちの2つが当てはまる状態をメタボリックシンドローム、いわゆるメタボと呼びます。AGEはメタボの早い時期から体の中でつくられると考えられています。

AGEは内臓脂肪を悪玉化させ、血糖値を上昇させます。そして血糖値が上昇すれば、AGEはそれだけ体内で多く発生する、という悪循環が生まれます。


●肌の弾力が喪失。シワやたるみに

肌のハリややわらかさを保っているのはコラーゲンなどのタンパク質です。肌のコラーゲンは加齢により、長い歳月をかけてじわじわと体温で加熱されていきます。そうすることでAGE化(糖化)が進み、太陽の紫外線も影響し、コラーゲンが変質すると弾力性を失いシワやたるみが出てきてしまいます。

またAGEは褐色のため、AGE化(糖化)が進むと、シワやたるみだけでなく、シミやくすみも発生してしまうのです。


●血管が硬くなり、動脈硬化に

コラーゲンは血管の内側の内皮細胞と外側の平滑筋細胞の間にも存在し、クッションのような役割を果たしています。このコラーゲンがAGE化(糖化)すると血管の弾力が失われ厚く硬くなり、また血栓をつくりやすくし、全身の血管で動脈硬化を起こします。

動脈硬化が進行すると、脳梗塞や心筋梗塞など深刻な病気に至ることもあります。


●骨をもろくし、骨粗鬆症に

コラーゲンは骨にも多く存在しています。骨のコラーゲンがAGE化(糖化)すると骨の強度が下がり、骨粗しょう症になります。

またAGEによって破壊された骨はカルシウムとして血の中に溶け出し、血管の中で石灰化し、動脈硬化のリスクにもなります。


●目の水晶体をにごらせ、白内障に

黒目の奥で光を調節するレンズの役割を果たしている水晶体は、クリスタリンというタンパク質でできています。クリスタリンがAGE化(糖化)すると、紫外線による酸化とあいまって水晶体が白く濁り、白内障を起こします。


28日サイクルでターンオーバーする肌のコラーゲンや2~10年周期で入れ替わる骨のコラーゲンとは違い、クリスタリンは一生、新陳代謝されないタンパク質。それだけに、時間の経過とともにAGEが蓄積していきます。


●アルツハイマーに

脳内のタンパク質がAGE化(糖化)すると、その中にβアミロイドというタンパク質に変質するものが出てきます。立体構造に変質したβアミロイドは組織に沈着しやすく、老人班と呼ばれる班点をつくります。この班点が広がると神経細胞を死滅させ、アルツハイマー型の認知症を引き起こします。


●糖尿病では全身に合併症を引き起こす危険性が

糖尿病患者さんは、高血糖状態が続いているためAGEが大量に蓄積されています。

糖尿病の診断基準に用いられる「ヘモグロビンA1c」も実は、赤血球のタンパク質であるヘモグロビンが糖化してAGEに変化する一歩手前の中間糖化物質です。


また、AGEの量は、血糖の量と時間に比例しますので、つまり、長期間、血糖値の高い人(もしくは糖尿病の方)は老化しやすい体質だということです。


そしてAGEは糖尿病の3大合併症と呼ばれる神経障害、網膜症、腎不全などにも悪影響を及ぼします。


老化の速度を決める方程式



老化の速度を決める方程式

   体内で発生するAGEの量=血糖値×持続時間


血糖値が高いほど、体の中で糖とタンパク質が結びついて多くのAGEが発生します。

そして糖化される期間が5年、10年と長くなればなるほどAGEは溜まり続けるのです。また、AGEを多く含む食べ物を頻繁に食べると、それだけ蓄積量が増えていきます


4.老化防止=抗AGE対策

老化防止とは、つまり、老化リスクとなるAGEを体内に溜めない生活・減らす生活を送ることが大切です。


●よく噛んでゆっくり食事をする

短時間に一気に食べる早食いは、急激に血糖値を上げてしまいます。一口30回程度を目安に良く噛んで、ゆっくり食べましょう。


●食後に軽く体を動かす

血糖値は食後1時間にもっとも上昇しますから、そのタイミングで軽い運動をすると血糖値の上昇を抑えられます。食後20~30分後から、20~30分程度のウォーキングをするのが理想的です。ただし毎日続けることが大切ですから、ウォーキングに限らず掃除、買物、ストレッチなど、食後に体を動かすことを習慣づけましょう。

激しい運動は逆に血糖値を上げてしまうため、食後にはお勧めできません。


●紫外線は浴びない

肌の表皮の角質層にあるケラチン繊維は、紫外線によりAGE化(糖化)が進みます。冬場の弱い紫外線を数分浴びただけでもAGEは増えるため、四季を問わずUVカットを心がけましょう。


●GI値の高い食品はなるべく避ける

トンカツ、唐揚げ、ステーキ、焼き鳥など、揚げたり、焼いたり、炒めたりした動物性脂肪食品には特にAGEが多く含まれます。また、ポテトチップスやフライドポテト、タバコもAGEが非常に多いため、できれば避けたいものです。


一番最悪な食べ方は「うどんと親子丼定食」←大量の糖質が一度に体内に入り糖化が一気に進む。


●調理の温度によってAGE値は変わる

AGEは、「加熱する温度が高いほどより多く発生する」という特徴があります。揚げ物や炒め物は油の温度が170℃~200℃、オーブン焼きは200℃~240℃と高いため、AGEが大量に発生します。一方、ゆでる、蒸す、煮るといった調理法は水分を使うため100℃までの加熱に抑えられ、発生するAGEも少なくなります。

たとえば同じ鶏肉料理でも、焼き鳥は水炊きの6倍、唐揚げは10倍ものAGEが発生するのです。揚げ物や炒め物ばかりを好んで食べると、AGEが体内に溜まっていきます。


●清涼飲料水はNG!!

ジュースや炭酸飲料、お菓子、缶詰などの甘味づけに使われる人工甘味料は、ブドウ糖の10倍の速さでAGEをつくるため、とり過ぎないようにしましょう。成分表示に「果糖液糖」「果糖ブドウ糖液糖」「異性化糖」などと書かれている場合は、注意が必要です。






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田和璃佳<インナーケアラボ主宰者>

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