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腸内細菌がつくる【短鎖脂肪酸】は万能薬!肥満がなくなる?!その効果とは

腸内フローラ(腸内細菌叢)についてさまざまなことが明らかになっています。

その中でも、腸内フローラが、私たちの体のエネルギー代謝抑制や栄養の摂取、免疫機能に影響を与え、肥満や糖尿病などのエネルギー代謝異常の直接的な原因になることも報告されています。

だからこそ、「食と腸内細菌の関係」は、食品科学的な観点からだけではなく、医学的観点からもとても重要であることが今や常識になっています。 

その中でも、今最も今注目されている「短鎖脂肪酸」の効果についてまとめてみました。



1.短鎖脂肪酸とは

 

短鎖脂肪酸ってナニ?


一言でいうと、食物繊維を腸内細菌が分解するときにつくる代謝物で、炭水化物が腸内で発酵することによってできる生成物のこと。


●補足説明●


たんぱく質、脂質と並ぶ三大栄養素のひとつである炭水化物は、食物として体内に取り入れられエネルギー源となる糖質と、体内の消化酵素では消化できない食物繊維があり、糖質は単糖類、少糖類、多糖類に分類されます。

単糖類は、ブドウ糖(グルコース)、果糖(フルクトース)、ガラクトースがあり、オリゴ糖は少糖類の仲間に入ります。

多糖類は消化性多糖類と難消化性多糖類に分かれます。消化性多糖類にはでんぷん、グリコーゲンなどがあり、難消化性糖類は食物繊維の仲間になります。



つまり、ヒトの大腸内では、腸内細菌が食物繊維(難消化性糖類)を発酵する際に短鎖脂肪酸を産生し、健康維持に欠かせない役割を果たしています。


ヒトの場合、酢酸・プロピオン酸・酪酸 の3種が代表的な短鎖脂肪酸。ヒトの体で短鎖脂肪酸が作られる部位は腸内細菌が多い大腸で、作られた短鎖脂肪酸は大腸から体内に吸収されます。


吸収された短鎖脂肪酸のうち、酪酸は大腸上皮細胞のエネルギー源として利用され、酢酸とプロピオン酸は肝臓や筋肉で代謝利用されます。


腸にいい食べものとして有名な食物繊維のような難消化性糖類は、腸内細菌による発酵を経て、私たちの体にとって重要なエネルギー源としてだけではなく、それ自体が私たちの体に影響を与える主要な分子として注目されています。



短鎖脂肪酸の効果ってナニ?


腸内細菌の発酵により産生される短鎖脂肪酸の質と量が、発酵源となる難消化性糖類の構造と分子量、そして腸内フローラの構成バランスにも関係することから、食品開発の分野においても、プレバイオティクスや、短鎖脂肪酸産生菌を利用したプロバイオティクスによる代謝改善効果への関心が年々高まっています。


プレバイオティクスとは、腸内細菌のエサになる食べもののことで、プロバイオティクスとは、腸内フローラを形成するために有益な生菌(主に土壌菌)のこと。



食の欧米化によるエネルギー過剰摂取が、糖尿病などの生活習慣病、いわゆるエネルギー代謝疾患を引き起こし、最近の研究においては、腸内細菌激減による、腸内フローラ(腸内細菌叢)の破綻が、糖尿病(エネルギー代謝疾患)の直接的な原因となることが、科学的根拠に基づいて証明されています。


マウス実験においても証明されていますが、ヒトにおいても、食事療法によって体重が減少した肥満者の腸内フローラ(腸内細菌叢)が、肥満者特有の構成バランスから健常者に似た構成バランスに変化することが判明しています。


つまり、腸内細菌の数を増やし、その構成バランスを改善することで、肥満も病気もなくなるということが証明されているのですね。


この短鎖脂肪酸は、古くから宿主である私たちの体のエネルギー源として重要であることが知られていますが、最近わかっているその効果はまさに万能薬のようなはたらきをします。




●短鎖脂肪酸の効果●

  1. 脂肪の蓄積を減らし、代謝を活発にして肥満防止・体重増加抑制
  2. 摂食行動の改善
  3. 糖尿病を改善するホルモン「インクレチン」を増やす
  4. アレルギー反応を抑える(Tレグの増加)
  5. セロトニン分泌を促す
  6. 腸のバリア機能を高め病気を予防
  7. 炎症性サイトカインを抑制して、過敏性腸炎などを予防
  8. 細胞内のミトコンドリアに働いてエネルギーの活性化を促し、腸のphを下げて殺菌力を高める
  9. 胃液、腸液、膵液、胆汁や大腸粘膜なども生成。腸管のエネルギー源となる
  10. 短鎖脂肪酸ができる過程で、水素を発生させ活性酸素を中和する




2.短鎖脂肪酸受容体について


短鎖脂肪酸受容体ってナニ?


腸内細菌が短鎖脂肪酸を産生するのは説明しました。

そして、その短鎖脂肪酸が、エネルギー源となるだけではなく、体重増加抑制や糖代謝改善などなど、とても私たちの体にとって必要なものであることも説明しました。


ここからは、少し専門的な話になりますが、短鎖脂肪酸を発生させる私たち宿主側に存在する受容体を介した分子メカニズムが存在することの科学的根拠について説明いたします。



腸内細菌の発酵により産生した短鎖脂肪酸を受ける、受容体は2種類あります。


GPR41 は、腸管においては特に内分泌細胞に高発現しており、他にも脂肪組織や交感神経節にも高発現しています。その効果としては

  1. 食欲抑制ホルモン(レプチン)PYYの分泌を促進
  2. 交感神経の抑制 
  3. 腸管糖代謝制御を介した代謝改善効果 

が挙げられます。


GPR43 は、腸管、脂肪組織および免疫系組織に高発現しています。腸管においては内分泌細胞に特に発現が高く、その効果としては

  1. インスリン分泌を促進するインクレチン(GLP-1)分泌を促進するインスリン感受性の制御に関わる。 
  2. 脂肪組織においては脂肪蓄積抑制作用がある。
  3. 糖や脂肪酸などの過剰なエネルギーの取り込みを抑え、脂肪細胞の肥大化、すなわち肥満を防ぐ作用がある。

が挙げられることから、免疫系組織におけるエネルギー調節・肥満への関与についての展開も期待されています。


また、GRP41 GRP43の両方を介して、膵臓のβ細胞からのインスリン分泌を調節することにより、インスリン感受性制御に直接的に関わっていることも判明しています。 以前から、肥満者へのプロピオン酸投与により、体重や脂肪重量増加の抑制が報告されていることから、腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸が増えれば、肥満はいなくなる…ということになりそうですね。


腸内細菌の研究としては、菌自体の解析という分野から腸内細菌代謝産物による私たちの体(宿主側)への作用の解明に移行しています。 このことは、食由来の腸内細菌代謝物と、その源である食事がいかに重要であるかをも示しています。

参照:東京農工大学大学院農学研究員 木村郁夫氏他


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田和璃佳<インナーケアラボ主宰者>

田和璃佳<インナーケアラボ主宰者>

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