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腸内細菌マップ欲しい!今や常識の腸活から一歩進んだ菌活が定着する日は近い

理化学研究所特別招聘研究員の辨野義己氏は、50年近く腸内細菌研究を続けておられ、研究の歴史を振り返り、未来への希望を語られました。


培養の時代からシークエンサー(検体中に含まれる遺伝子配列を網羅的に解読する)の時代となり、腸内細菌研究は飛躍的に進展。しかし、腸内細菌の遺伝子配列は分かっても、名前も正体も不明の菌が多いなど、腸内細菌叢はまだ全貌の見えない"暗黒大陸"だという。


「その解明には10万人級の腸内細菌データベース構築が急務で、早期にこれを実現したい」と抱負を述べた。以下、第34回日本静脈経腸栄養学会(2月14、15日)での日本臨床腸内微生物学会との合同シンポジウムからの紹介です。


1.シーケンサー導入で飛躍した腸内細菌叢研究

 

腸内常在菌は大便1g中に約1兆個存在し、種類は1,000種以上、総重量は1〜1.5kg。


辨野氏は、1973年から一貫して腸内細菌叢を研究してきた細菌学者だが、前半の25年間は細菌を培養する時代だったが、1990年代半ばに腸内細菌の遺伝子解析法(ダイレクト・シークエンス法)をいち早く導入すると、培養法では気付かなかった広大な世界が見えてきた。

菜食主義者の腸内細菌を両法で解析したところ、細菌の構成比率が全く違うことを見いだしたという。なぜなら、培養の困難な難培養腸内細菌が多いためである。


DNAシークエンサーの普及で簡単に腸内細菌が調べられるようになり、研究は目覚ましく進展した。1970年代に年間120〜150報だったこの領域の英語論文は、最近では5,000〜7,200報に激増している。


とはいえ、腸内細菌叢は今も謎の尽きない"暗黒大陸"だと同氏は考えている。例えば、同氏の研究室には最近、ある薬剤が著効を示す患者から得られた腸内細菌について、遺伝子配列しか分からないので培養してほしいとの依頼がきた。その菌が大便中に存在することは遺伝子の存在で分かるが、性状や働きについては培養に基づく地道な研究が必要なのである。


難培養性微生物にアプローチできる施設は日本でも少なく、米国や中国にはほぼ存在しない。この領域で長い経験を持つ日本人研究者の活躍の場は、ますます広がるだろうと同氏は予想する。


2.2万5,000人の便と生活習慣から日本人の腸内常在菌マップを!


では、腸内細菌叢を理解し、健康に役立てるためには何が必要となるのか。

辨野氏らは2010〜12年に3,220人の便を入手。主な菌種とアンケートから得た個人属性、生活特性を突き合わせ、8つのグループに分類した(表1)。最大集団であるグループ1はFirmicutes、Ruminococcusなどが主で、これに継ぐグループ7はClostridium、Lachnospiraなどが目立ち、第3集団のグループ4ではClostridiumⅩⅣa、Fusobacteriumなどが多かった。各グループの腸内細菌叢には明白な相違が認められ、生活特性にも大きな差が見られたのである。同氏はこのようにパターン化することによって、腸内細菌叢と疾患の関わりを突き止め、「健康な腸内細菌叢」とはどのようなものかを把握しようと考えている。


表1.3,220人の腸内細菌叢パターンと生活特性



最近は2万5,000人の被験者のデータを集め、腸内細菌解析を4〜5年間継続して、さらに精度の高いデータベースの構築を目指している。このプロジェクトには日本各地の被験者が参加しており、地域固有の食習慣といった生活背景を含めた分析が可能になる。「日本人の腸内細菌叢マップをつくりたい」と、同氏は意気込みを見せた。現在、初回の菌種検査は完了しており、8つではなく11グループに分類されたという。


3.今、一番熱い酪酸産生菌は運動と粗食から


こうした腸内細菌叢マップをいかに生かすべきか。辨野氏は「腸内細菌叢の分析からは、かかりやすい疾患の予測が可能で、これを生活習慣の改善や疾患予防に生かすことができれば、国民医療費の大幅削減に結び付くはずだ。例えば、人間ドックで同一内容の食事を摂取して腸内細菌のレスポンスを調べることは、新たな健康管理法になる」と言う。


プロバイオティクスとしては、従来乳酸菌とビフィズス菌ばかり重視されてきたが、今はより広範な菌種に目が向けられている。 同氏が期待するのは、がん細胞抑制や腸粘膜改善などの作用が報告されている酪酸産生菌だ。酪酸産生菌は次世代プロバイオティクスとも称され、長寿者からよく検出されるEubacterium limosum、脂質代謝を促進するAkkermansia muciniphila、制御性T細胞(Treg)の集積を誘導して免疫機能を抑制するClostridium leptumとBlautia coccoidesグループが今、最も注目されている(表2)。


表2.次世代プロバイオティクス候補菌種





〇 Eubacterium limosum ユウバクテリウム・リモサム


     長寿者からの検出高い


〇 Akkermansia muciniphila アッカーマンシア  ムシニフィラ

  脂質代謝促進に貢献


〇 Clostridium leptum   クロストリジウム レプタム

  及び

  Blautia coccoides ブラウティア コッコイデス 

  Treg活性




(表1、2とも第34回日本静脈経腸栄養学会発表資料)


同氏はこれらの菌を長寿菌と呼んでいる。長寿者の多い地域で元気な高齢者から提供された便を調べたところ、一般的には20%以下の酪酸産生菌の比率が40〜50%と非常に高く、ビフィズス菌も明らかに多いことに驚かされたからだ。

こうした高齢者には、畑仕事などで体をよく動かすという生活習慣、野菜中心で肉はあまり食べないという食習慣にも特色があった。「いいウンチをデザインする」ためには、運動5割、野菜中心食4割、発酵食品や乳酸飲料の摂取が1割と、同氏は考えている。





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田和璃佳<インナーケアラボ主宰者>

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