若い世代に激増!腸管に炎症が?潰瘍性大腸炎とクローン病の症状と原因について

(2019/8/12 ReWRITE)

下痢や血便などの便通異常で発覚する「腸の病気」で、先日ご紹介した【過敏性腸症候群:IBS】と、もう一つの【炎症性腸疾患:IBD】についてご紹介します。


1.炎症性腸疾患(IBD)とは

炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease:IBD)


腸管に炎症をおこす慢性・寛解・再燃性の疾患の総称で、潰瘍性大腸炎(UC: ulcerative colitis:UC)、クローン病(CD: crohn's disease)の2疾患に大別できます。


健常者の腸管粘膜では、腸内細菌の付着や侵入を防ぐ粘膜防御機構が機能していますが、IBDではその機能が低下し、粘膜に多数の腸内細菌の付着や侵入を許しているので、腸内細菌の感染症ではないかといわれています。



炎症性腸疾患の腸内細菌説の根拠


  • 免疫異常自然発症腸炎は無菌状態では発症せず、腸内細菌が原因である
  • IBDの腸管粘膜には細菌が異常に多い
  • 正常人と比べて、善玉菌>悪玉菌とバランス異常あり
  • 遺伝子多型分析により、IBDでは細菌排除機構や粘膜防御機構の低下に結びつく遺伝子多型が多い
  • IBDでは腸内細菌に対するToleranceが低下して過剰免疫反応=炎症が起こる
  • 自然免疫の主体であるToll-like receptor(TLR)は腸管上皮に発現し、その多くが細菌をリガンドとしている




2.潰瘍性大腸炎(UC)とは

潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)


大腸粘膜を、直腸から発生し全大腸に広がり、びらんや潰瘍を形成する原因不明の非特異性炎症疾患のこと。全消化管に広がるクローン病とは異なり、基本的に、大腸内に限定しているのが特徴。

その経過中に、再燃と寛解を繰り返すことが多く、腸管外合併症を伴うことがあり、長期かつ広範囲に大腸をおかす場合には癌化の傾向があります。 (UC患者における大腸ガンの罹患率は一般より高いというデータもあります。)


UCは、比較的若い年齢に多く発症し、10代後半から、30代前半が多い。2013年度の患者数は約16万人で、年々増加しています。

症状


主症状は、「血性下痢」。腹痛を伴うことも多く、持続性または反復性の粘血・血便あるいはその既往があればUCを疑う。

重症化すると、排便回数1日6回以上、血便、発熱、頻脈、貧血、体重減少、腹部圧痛などの全身症候を伴う。


また、関節、皮膚、眼など全身に腸管外合併症をきたすこともある。


検査


感染性腸炎と間違われやすいので、感染性腸炎でないことを診断してから、内視鏡検査や注腸X線検査をして総合的に診断します。


原因


国際的なコンセンサスとしては、遺伝的素因を有する個体に様々な環境因子が関与して腸粘膜の免疫系の調節機構が障害されて炎症が生じる、とのことですが、腸内細菌の関与が示唆されていることも証明されています。


つまりは、腸内フローラのバランスが崩れていることで、免疫機能が低下しているということなので、

具体的な原因としては、

  • 清潔すぎる環境
  • 添加物の大量摂取
  • 食生生活の欧米化
  • 抗生物質の大量摂取
  • ストレス
  • 飲酒(症状が悪化する)

などが、腸内細菌の数を減少させ、免疫機能が低下していることだといわれています。


3.クローン病(CD)とは

クローン病(Crohn's disease:CD)


クローン病とは非連続性に分布する全層性肉芽腫性炎症や瘻孔を特徴とする原因不明の慢性炎症性疾患のこと。口腔から肛門まで消化管のどの部位にも発症し、特に、小腸・大腸(特に回盲部)、肛門周囲に発症します。


病変部位としては、小腸・大腸(特に回盲部)、そして、肛門周囲に多く、「小腸型」「大腸型」「小腸大腸型」に分類されますが、腸管外合併症による全身への影響も考慮しなければならない。

疾患パターンとしては、「炎症」「瘻孔形成」「狭窄」の3通りに分類することが国際的に認められています。 


10歳代後半から30歳代前半の発症が多く、2013年度の患者数は、約4万人。欧米では女性に多い傾向があります。

症状


慢性の腹痛や下痢、血便、体重減少、発熱、肛門部病変などを伴う。(粘血便はUCの方が多い)


身体所見では、病変部位に一致した圧痛や腫瘤を触知し、腸閉塞の兆候を認めることもあり、しばしば肛門部病変により発見されることがあります。


CDではまれに大出血があるので、内科的治療で止血困難なときは、外科的治療(病変部腸管の切除または狭窄形成手術)を行います。


直腸肛門管部を中心に、大腸・小腸癌発生率が高いことが知られていますが、CD患者においては、小腸ガンの罹患率がかなり高い。


原因


国際的なコンセンサスとしては、遺伝的素因を有する個体に様々な環境因子が関与して腸粘膜の免疫系の調節機構が障害されて炎症が生じる、とのことですが、腸内細菌の関与が示唆されていることも証明されています。


つまりは、腸内フローラのバランスが崩れていることで、免疫機能が低下しているということなので、

具体的な原因としては、

  • 清潔すぎる環境
  • 脂肪・甘味料・砂糖菓子・不飽和脂肪酸・ビタミンEの摂取
  • 添加物の大量摂取
  • 食生生活の欧米化
  • 抗生物質の大量摂取
  • 心理的ストレス
  • 喫煙

などが、腸内細菌の数を減少させ、免疫機能が低下していることだといわれています。


喫煙はCDの難治化や再発に関与しているので、禁煙によって難治化や再発率の改善があるという報告があります。


診断


急性期では、急性虫垂炎、大腸憩室炎などに類似し、診断の最終段階で腸結核や腸管ベーチェット病などとの鑑別が問題となります。


CDは全消化管をおかすが、主な好発部位は大腸および回腸下部であるので、診断にはX線造影検査とともに、内視鏡検査が必須。 回腸終末部の観察を含めた下部消化管内視鏡検査を行います。


上部消化管病変として、高率(17~75%)であるのは、胃における竹の節状外観、胃びらん・潰瘍、十二指腸びらん・潰瘍、十二指腸ノッチ状外観・縦走びらんなど。




引用:日本消化器病学会/炎症性腸疾患(IBD)診療ガイドライン2016

まとめ

  • 若い世代に多い炎症性腸疾患(IBD)は、病変箇所ならびに症状によって、潰瘍性大腸炎(UC)とクローン病(CD)に大別される。
  • 発症原因としては、腸内細菌の関与が示唆されている。
  • IBD患者は過敏性腸症候群患者と比べて、飲酒による症状の悪化が多い。
  • 内科的治療薬としては、副腎皮質ステロイドの投薬が主となっているが、易感染性、創傷治癒遅延、骨粗鬆症など問題になる副作用が多いため、長期投与や高用量投与は避けるべきであり、寛解時でも使用は避けるべきである。



田和璃佳<インナーケアラボ主宰者>

田和璃佳<インナーケアラボ主宰者>

美腸カウンセラー/美腸をつくるたった2つの習慣で、ヤセ菌アップ!痩せやすい体を手に入れるoriginal【美腸Methods】を展開中! Instagram≪ricca_tawa≫ ・Youtube≪田和璃佳≫

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